医学部入試小論文の頻出ワード『混合診療』

混合診療とは…

保健で認められている保険診療と、認められていない保険外診療(自由診療)を組み合わせた診療のことです。通常、3割負担である保険適用部分も自費診療扱いになり、治療費は患者の全額負担になる。日本では、混合診療は原則禁止されているが、例外として、認める対象を大きく広げる患者申出療養制度が2016年4月に実施されました。

保険外診療である先進医療を患者が行いたいと考えた場合、以前は病院側の判断で申請していましたが、新しい制度ではまず患者の希望を受けてから病院が申請します。また、リスクの低い治療なら全国およそ400か所の医療機関で受けられるようになります。混合診療を認めるかどうかの個別の審査も、国内初の症例なら6週間、すでに症例があるものなら2週間で結論を出すようにしてスピード化をはかります。

混合診療の拡大が進めば、患者の選択肢が増え、新薬や医療機器の市場を拡大することが期待されています。そのためには、医師が治療内容や安全性、有効性を充分に患者に説明した上で、患者が理解して納得することが必要です。

混合診療解禁によって科学的根拠のない治療法が助長される恐れがあるうえに、今後生じてくる新たな医療が自由診療に含まれたりするようになる可能性もあります。もしそうなれば、混合診療を解禁することが結果的には患者の負担増を招き、医療格差の拡大につながりかねません。つまり、お金のある人だけが、よい医療を受けられるという状況になることも否定できないでしょう。

医学部入試小論文の頻出ワード『脳死・臓器移植』

脳死とは

かねてから、人の死を決定付けるのは心臓の停止だとする考えが当たり前でした。呼吸の停止、心拍の停止、瞳孔の拡大の三つのいわゆる三兆候説と呼ばれるものです。医師が死亡確認の際に呼吸、脈拍、対光反射の消失を確認することはこれに由来しています。

しかし、交通事故などで脳に大きな損傷を受けて、脳の機能が不可逆的に停止する場合があります。つまり、人工呼吸器などの生命維持装置で生かされている状態です。この状態を脳死といいます。

臓器移植とは

臓器移植とは、病気や事故などで臓器が機能しなくなった場合に、他人や他の動物の健康な臓器を移植することをいいます。さらに、臓器の提供者をドナーといい、臓器を受容する者をレシピエントといいます。ドナーが生きていれば生体移植、死んでいれば死体移植といいます。

臓器移植の目的は、ひとりでも多くの患者の苦しみを緩和して、尊い生命を救うことにあります。しかし、未だに問題点も多いです。まず、脳死判定の正確性や安全性に問題が残ること。そして、人体を機械の部品のように扱うことで臓器売買が行われ、生命倫理上の問題があること、とくに子供は臓器売買に関するビジネスや犯罪に巻き込まれやすいこと。さらに臓器が欲しくて患者の延命治療を積極的に行わない医療現場の風潮が生まれる可能性があること。このような問題が挙げられます。

旧臓器移植法の問題点

日本では1997年、臓器移植法が成立し、臓器移植を前提にした場合のみ、脳死判定によって脳死を人の死と認め、臓器移植が可能となりました。これによって、脳死体から臓器移植をすることで、多くの患者を救うことにつながる道が拓けたといえます。

ただし問題点もあります。同じ脳死状態であっても、臓器移植を前提にした場合は、脳死判定を経て患者は死んでいることになります。しかし臓器移植を前提としない場合は、患者は生きていることになり、心臓の停止によってはじめて死んだことになります。つまり、2つの死が存在する結果になったのです。また、患者本人による書面での臓器提供の意思表示と家族の同意が必要だったり、15歳未満の者からの臓器提供や、親族への臓器の優先提供は認められないという事情から、臓器移植があまり進見ませんでした。実際、2009年の春までに行なわれた臓器移植は約80名にとどまっています。

新臓器移植法の改正点

2009年、なかなか進まない臓器移植を増やす方向で臓器移植法が改正され、以下の4つの点が大きく変わりました。

1つ目は、臓器移植の場合という条件を撤廃し、一律に脳死を人の死とするようになりました。2つ目は、患者本人の書面による意思表示を不要とし、患者本人が拒絶しない限り、家族の同意のみで臓器摘出が可能となりました。3つ目は、臓器提供者の年齢制限を撤廃し、15歳未満の者からの臓器移植も可能となりました。4つ目は、親族への優先提供が認められるようになりました。

臓器を待つ患者の立場から見ると、よい方向に改められたといえますが、患者の意思表示を不要するという点については、脳死状態にある患者の人権が軽視されかねないため、今後さらなる議論の余地が残されています。また、患者本人の書面による意思表示が不要となったことで、家族が臓器提供に同意するかどうかの判断をしなければならず、大きな精神的負担を強いることになると批判されています。

また、旧法では臓器提供を受けるのは、移植ネットワークによって作成された移植待機者リストの順番に従って決定されており、脳死患者の親族への優先的な臓器移植は認められていませんでした。改定後は脳死患者の親族に対して、臓器移植が必要であれば優先的に提供がなされることになりました。

高3・高卒生対象の模試

もうすぐ6月です。

高3・高卒生対象の大手予備校の模試日程

そろそろ力試しをしたいときです。大手の模試を受けたいいと言う学生さんの声が聞こえてきます。

上手に利用すればやる気も高まります。苦手分野も分かります。

ただ注意する点は問題が私立医学部とはかけ離れている点です。点数に一喜一憂するのではなく、

しっかり分析して、学習計画を補強し実践していきましょう。

高3・高卒生対象の模試(ご参考に)
予備校 実施日 模試名 受付日程
東進 4月24日 センター試験本番レベル模試 ~4/20
河合 5月1日 第1回全統マーク模試(マーク式) ~4/22
駿台 5月8日 第1回駿台全国判定模試(記述式) 4/4~5/1
河合 5月8日 河合塾・Z会共催 プレステージ 4/1~4/28
河合 5月15日 第1回全統記述模試(記述・論述式) 4/1~5/6
東進 5/15 (7,9,11月にも実施) 難関大本番レベル記述模試 ~5/11
東進 5/15 (7,9,11月にも実施) 有名大本番レベル記述模試 ~5/11
東進 5/29 (8,12月にも実施) 大学合格基礎力判定テスト ~5/25
駿台 5月29日 第1回駿台全国模試(記述式) 4/4~5/22
東進 6月26日 センター試験本番レベル模試  
駿台 7月31日 駿台全国マーク模試(マーク式) 5/16~7/24
河合 7月31日 第2回全統マーク模試 6/1~
河合 8月28日 第2回全統記述模試 6/1~
東進 8月28日 センター試験本番レベル模試  
駿台 9月4日 第2回駿台全国判定模試(記述式) 6/1~8/28
駿台 9月18日 第1回駿台・ベネッセマーク模試(マーク式) 6/1~9/11
駿台 9月25日 第2回駿台全国模試(記述式) 8/1~9/18
河合 10月9日 全統論文模試 9/1~
駿台 10月16日 第2回駿台・ベネッセ記述模試(記述式) 9/1~10/9
河合 10月16日 第3回全統記述模試 9/1~
河合 10月23日 第3回全統マーク模試 9/1~
河合 11月3日 全統医進模試 9/1~
駿台 11月6日 第3回駿台・ベネッセマーク模試(マーク式) 9/1~10/3
駿台 12月4日 第3回駿台全国模試(記述式) 10/3~11/27
駿台 12月18日 大学入試センター試験プレテスト(マーク式) 10/3~12/11
東進 12月23日 センター試験本番レベル模試  

医学部小論文の頻出キーワード『EBMとNBM』

EBM(Evidence based medicine)とは

近頃はビジネスなどの分野でも「エビデンス」というカタカナ語が使われるようになりましたが、”Evidence”とはとどのつまり「根拠」のことです。従って”Evidence based medicine”は「根拠に基づいた医療」と訳されています。意味合いとしては「根拠」というよりも「証拠」という言い方のほうがより正確であるとも言われています。

従来の医療では、それぞれの医師による経験に依存してきたところがあり、医療ががこれまでに蓄積してきた科学的な知見が十分に効率よく利用されることはそれほど多くありませんでした。このことに対する反省から、科学的知見の蓄積とそれによる根拠づけによって、より品質の高い医療を提供していこうというのが、EBMの基本的な考え方です。

NBM(Narrative Based Medicine)とは

“Narrative”とは「物語」のことです。つまり”Narrative Based Medicine”とは物語に基づいた医療と訳すことができます。物語の語り手となるのは患者自身です。医師は患者の語りを引き出すことに努めます。

NBMは、患者が語る「なぜ病気になったのか」、「どのような症状なのか」、「病気についてどう感じているか」といったストーリーを基に、患者が抱える問題をあらゆる面から把握したうえで、治療方法を考えて行きます。患者と医療従事者が対話を通じて良い関係を築いて行き、双方の満足が行く治療を行うことが目的となっています。

NBMの考え方は、従来の医療がEBMを重視してきた結果、良い医療を行なっても、患者の満足度が上がらず、医療従事者もやりがいや達成感を感じづらかったというジレンマを解消させるものです。

医学用語 漢字テスト

これから挙げる問題は、実際に使われる医学用語の読み方についてです。

某大学でこの調査が行われたところ、正答平均点は20/60点前後だとか。さて、あなたはどのくらい読むことができるでしょうか。

  1. 網膜
  2. 靭帯
  3. 糸球体
  4. 腸間膜
  5. 胆嚢
  6. 麻痺
  7. 脊髄
  8. 気胸
  9. 痙攣
  10. 頸動脈
  11. 徐脈
  12. 耳介
  13. 亢進
  14. 疾病
  15. 胸腔
  16. 喘息
  17. 血漿
  18. 腰椎
  19. 口蓋
  20. 癒合
  21. 脛骨
  22. 側弯
  23. 腱鞘
  24. 照射野
  25. 僧房弁
  26. 気瘤
  27. 頭蓋
  28. 狭窄
  29. 剖検
  30. 尾椎
  31. 芽細胞
  32. 濾過
  33. 乾癬
  34. 鼻漏
  35. 乏尿
  36. 腓骨
  37. 外顆
  38. 膝蓋骨
  39. 腎盂
  40. 上顎
  41. 灰白質
  42. 腋窩
  43. 腹腔
  44. 吻合
  45. 会陰
  46. 跛行
  47. 橈骨
  48. 肩峰
  49. 嚥下
  50. 褥瘡
  51. 頬骨
  52. 腹臥位
  53. 造瘻
  54. 眩暈
  55. 塞栓症
  56. 罹患
  57. 蠕動
  58. 仰臥位
  59. 踵骨
  60. 穿刺
  1. もうまく
  2. じんたい
  3. しきゅうたい
  4. ちょうかんまく
  5. たんのう
  6. まひ
  7. せきずい
  8. ききょう
  9. けいれん
  10. けいどうみゃく
  11. じょみゃく
  12. じかい
  13. こうしん
  14. しっぺい
  15. きょうくう
  16. ぜんそく
  17. けっしょう
  18. ようつい
  19. こうがい
  20. ゆごう
  21. けいこつ
  22. そくわん
  23. けんしょう
  24. しょうしゃや
  25. そうぼうべん
  26. きりゅう
  27. とうがい
  28. きょうさく
  29. ぼうけん
  30. びつい
  31. がさいぼう
  32. ろか
  33. かんせん
  34. びろう
  35. ぼうにょう
  36. ひこつ
  37. がいか
  38. しつがいこつ
  39. じんう
  40. じょうがく
  41. かいはくしつ
  42. えきか
  43. ふくくう
  44. ふんごう
  45. えいん
  46. はこう
  47. とうこつ
  48. けんぽう
  49. えんげ
  50. じょくそう
  51. きょうこつ
  52. ふくがい
  53. ぞうろう
  54. めまい
  55. そくせんしょう
  56. りかん
  57. ぜどう
  58. ぎょうがい
  59. しょうこつ
  60. せんし

ちなみに、『上顎』『頬骨』はそれぞれ『うわあご』『ほおぼね』という読み方も間違いではありませんが、医学では『じょうがく』『きょうこつ』と読まなければならないそうです。

普段使わない分、なかなか難しかったかと思いますが、医師であれば知っていなければいけないことなのでしょうね。