日本医科大学 2026年度オープンキャンパス 参加レポート

日本医科大学 2026年度オープンキャンパス

8月7日(金)に開催された日本医科大学のオープンキャンパスに参加してきました。会場は千駄木校舎の教育棟です。千駄木校舎は、本駒込、東大前、千駄木、根津を結ぶ四角形の対角線が交わるところにあります。文京区ということもあり、都内でも特に静かで落ち着いた環境にあります。日本医科大学は今年で創立150周年を迎えたそうです。

オープンキャンパスは午前と午後の二回行われました。私が参加したのは午後の部でした。

弦間昭彦学長による大学紹介

最初に、弦間昭彦学長から日本医科大学についてのお話がありました。日本医科大学では10年前からICT・AI・VRといった最新テクノロジーを積極的に教育へ取り入れているそうです。

創立150周年の記念事業として、武蔵小杉キャンパスに医療健康科学部看護学科を開設したほか、東京駅前には八重洲検診ステーションが開設されました。

また、本来カリキュラムについて説明する予定だった横堀將司教務部長が、熊本での災害救援活動へ急遽派遣されていることも紹介されました。日本で初めての船舶を活用した医療提供でリーダーを務めているそうです。実際のニュース映像とともに、インタビューに答える姿を見せながら、学是である「克己殉公(己に勝ち、公に尽くす)」の精神についてお話しされていました。

大学概要・入学者選抜の説明

続いて学長から「プレゼンの天才」と紹介されて登壇した小川令医学部長から説明がありました。

はじめに大学の成り立ちについてお話があり、「うちは日本大学の医学部ではありません!」「東大よりも1年早く創立されました」といったユーモア溢れるフレーズで会場を和ませつつ、野口英世らを輩出した済生学舎から続く日医の歴史を説明されていました。

済生学舎以来の伝統と自由を大切にする校風は今も健在で、成績優秀者は授業に出なくてもよいという驚きの制度がある一方、「自由には自己責任が伴う」として自主性が求められています。日医は学生の自由と自主性を重んじており、他の医学部のように、あれをやれこれをやれと厳しく指導しないそうです。

アドミッション・ポリシーのほか、入学者選抜については募集総数が125名であることや、学費が2,200万円に減額されて私立医大で5番目に安いこと、1億円規模の奨学金制度や特待生制度、英検準1級以上等を対象とするグローバル特別選抜、5都県を対象とする地域枠などについて紹介がありました。

カリキュラムの説明

不在の横堀教務部長に代わり、カリキュラムについても小川医学部長から説明がありました。1年次から英語や生命科学、数学・統計、文科省認定のAI・データサイエンスを学ぶほか、医師に同行するシャドーイングや解剖実習も始まります。

「2:6:2の法則」に応じた層別化教育を行っており、上位20%の成績優秀者は授業に出席せず、国内外の一流研究室での研究や海外留学に専念できる仕組みがあるそうです。

共用試験(CBT・OSCE)を経て4年次後半から診療参加型臨床実習が始まり、VRを用いた採血や気管挿管のシミュレーションも取り入れられています。補習体制もあり、留年せずにストレートで国家試験に合格する割合は約9割に達するとお話しされていました。

小野真平准教授による模擬講義

最後は、形成再建再生医学分野の小野真平准教授による模擬講義が行われました。『治すのは傷だけじゃない 患者さんの笑顔を取り戻す形成外科』というタイトルの講義です。キーワードとして「メス・義手・AI」、そして「境界(Boundary)」が挙げられました。

形成外科は傷を治すだけでなく、見た目や機能を再建して患者のQOL(生活の質)と笑顔を取り戻す診療科です。講義ではシワに沿ってジグザグに切る工夫や、1mmの血管を繋ぐマイクロサージェリー技術、放射線科と連携した造影CTの活用、iPhoneのLiDARによる人体や傷の3Dスキャン、AIを利用した創傷評価について紹介されました。

さらに「境界領域にこそ宝の山がある」という考えのもと、電気通信大学や義肢メーカー(相羽義肢等)と共同で「動く義手」の開発を進めているお話もありました。工学の視点を取り入れることで、「マイナスをゼロに戻すだけでなく、義手だからこそできる可能性を増やす」という挑戦をしているそうです。

医療と異分野の境界に踏み出すことで既存の医療では解決できなかった問題に取り組む、最先端のテクノロジーを強みにする日本医科大学らしい特徴がよく伝わるオープンキャンパスでした。